いわき総合どうぶつ診療センター さかい動物病院 症例紹介 

【 福島県いわき市 】さかい動物病院での治療例のご紹介をしています。

10歳エアデールテリアの乳腺腫瘍摘出術

いわき総合どうぶつ診療センター 

さかい動物病院です。

 

本日の症例報告は、10歳エアデールテリア

乳腺腫瘍摘出術です。

 

⚠️手術中の写真が含まれますのでご注意ください。

 

まず、わんちゃんの乳腺腫瘍について、詳しくご説明いたします。

乳腺腫瘍とは乳腺にできるしこり「腫瘍」のことです。
見た目だけでは良性・悪性の判断はできません。

小さなしこりでも悪性のことがあり、大きくても良性の場合もあります。
早期発見・早期治療がとても大切です。

乳腺腫瘍は、ホルモンの影響を受けるため、若いうちの避妊手術で発生リスクを大きく下げることができます。

避妊の時期と乳腺腫瘍の発生率は大きく関係しており、初回発情前であれば約0.5%、1回目の発情後なら約8%、2回目の発情後になると約26%と避妊手術が遅くなるにつれ、腫瘍の発生率は徐々にあがってきてしまいます。

また、できてしまった腫瘍の良性と悪性の比率は、50%ずつと、半分の確率で悪性腫瘍だということがわかっております。

そのため早期の避妊手術がいちばんの予防であると言えます。

今回の病理検査結果は「乳腺間質肉腫」という結果でした。

乳腺間質肉腫とは

乳腺を支える「間質」という組織由来の悪性腫瘍です。

・悪性度が高いことがある

・周囲は広がりやすい

・再発、転移に注意が必要

・大きくなるスピードが早い場合もある

上記のような特徴があります。

 

早期発見も大切ですが、

若いうちの避妊手術で予防することが可能な病気ですので、

新しい仔犬、子猫をお迎えした際は初回発情前の避妊手術をおすすめいたします。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

当院ではセカンドオピニオンのご予約も随時受け付けておりますので、ぜひご相談ください。

 

犬の前十字靭帯断裂に対するTPLO手術

いわき総合どうぶつ診療センター さかい動物病院です。

 

本日の症例報告は、11歳柴犬

前十字靭帯断裂に対する"TPLO手術"です。

 

※ 手術中の写真が含まれますのでご注意下さい

 

 

① 前十字靭帯断裂について

 

んちゃんの膝の関節の中には「前十字靭帯」という靭帯があり、

大腿骨と脛骨がズレないように安定させる役割があります。

この靭帯が切れてしまうと、脛骨が前にズレてしまい、関節が不安定になることで、骨と骨が擦れ、半月板損傷や関節炎が進行します。

 

 

その結果、足をかばう・挙上する・びっこを引くといった症状が出ます。

また、この状態を放置すると

変形性関節症が進行してしまう病気でもあります。

 

② 前十字靭帯断裂の手術

 

 

TPLO手術は、靭帯を治す手術ではなく

骨の角度を変えて関節の安定を取り戻す手術です。

 

具体的には

脛骨をカットして回転させ、脛骨の傾きを平らにすることで、前に滑る力を打ち消すことができます。

つまり

👉 靭帯がなくても安定する構造に変える手術 です。

 

日本で行われている前十字靭帯断裂の手術には主に2つあります。

 

● 関節外法

人工の糸で関節の外側から固定します。小型犬に向いていますが、負荷が強いと緩むことがあります。

 

● TPLO

先ほど説明した通り、骨の構造自体を変えて関節を安定化させます。大型犬や活動性の高い犬に適しています。

 

術後の成績が良く、日本では現在、中〜大型犬ではTPLOが主流になってきています。

しかし、TPLO法は、高度な技術と専用の器材が要求される手術で、限られた病院でしか実施されていないのが現状です。

 

③ 手術適応の判断

 

 

今回の症例は、

左後ろ足を挙上しており、レントゲン写真で脛骨が前方にズレている様子が確認できました。

 

 

右の後ろ足と比較すると、明らかに位置関係がずれているのが分かると思います。

 

実際に関節を動かすと、大腿骨と脛骨が前後にガタガタと動いてしまいます。

本来はしっかり固定されている部分ですが、前十字靭帯が切れていることで、異常な動きが出ている状態です。

 

④ TPLO手術の概要

 

 

術前の準備として、TPAという脛骨の傾きを表す角度を測定します。

この角度が大きいほど、前に滑る力(不安定性)が強くなります。

TPLOではこの角度を適切な角度まで小さく調整します。

 

手術の流れです。

 

関節内に残っている断裂した前十字靭帯は丁寧に取り除きます。

 

 

壊れた靭帯が残っていると、炎症の原因となり、痛みや回復の遅れにつながるためです。

さらに、半月板に損傷がないかも同時に確認し、必要に応じて処置を行います。

 

骨を回転させて位置を調整し、プレートを固定する前にピンで仮止めした状態で確認すると、

それまで見られていた脛骨の前方へのズレ(CRTT)が消失しているのが分かります。

 

この時点で、

関節の安定性が回復していることを確認できます。

術後は、骨の角度が改善され、前方へのズレが解消し、関節の安定性が回復しています。

 

術後の経過は良好で、現在はしっかり体重をかけて歩けるようになり、元気に走れるまで回復しています。

 

⑤ まとめ

TPLO手術は

高い確率で良好な機能回復が期待できる手術です。

また、前十字靭帯断裂は反対側の足でも起こることが多い病気です。

そのため、今後も注意しながら経過を見ていくことが大切です。

猫の股関節脱臼に対する大腿骨頭切除術

いわき総合どうぶつ診療センター さかい動物病院です。

本日の症例報告は、10歳雑種猫

股関節脱臼に対する"大腿骨頭切除術"

についてご紹介いたします。

※ 手術中の写真が含まれますのでご注意下さい

① 股関節脱臼について

股関節とは、骨盤の骨と太ももの骨である「大腿骨」で形成され、大腿骨の先端にあるボール状の「大腿骨頭」が骨盤のくぼみ「寛骨臼」にはまるような構造になっています。

股関節が外れてしまう股関節脱臼は、わんちゃんに多く見られます。
原因としては、生まれつき股関節の構造が未発達(股関節形成不全)であったり、事故(落下、外傷等)の影響だったりします。

今回のねこちゃんは、はっきりとした原因がわからず、外から遊びに帰ってきたときに、脱臼してしまっていることに気づきました。

② 手術適応の判断に至るまで

上のレントゲン写真で確認すると、股関節が外れてしまっていることが分かると思います。

痛みがないように麻酔をかけて、脱臼した骨を元に戻してみましたが、

来院時には既に時間が経っていたため、筋肉が拘縮してしまっており、戻してもすぐに外れてしまうような状態でした。

この場合は、放置してしまうと痛みや関節炎を引き起こし、最終的には変形性関節症(OA)に繋がってしまう恐れがあるため、手術が適応となります。

③ 大腿骨頭切除術の概要
手術は、大腿骨頭切除術といい、関節を形成している大腿骨頭を切り落としてしまいます。

こうすることで、骨と骨が直接ぶつかって起こる"痛みの原因"を物理的に取り除くことができ、その周りの筋肉や線維性の組織で"偽関節"を作っていくことを目指します。

手術による機能回復は良好で、きちんと痛みなく歩けるようになります。

④ 飼い主さまへのお願い

わんちゃん、ねこちゃんはジャンプや転倒、抱っこ中の落下など、日常のちょっとしたことで関節を脱臼してしまうことがあります。

脱臼の予防には、普段の生活環境がとても大切です。

・高いところから飛び降りないようにする(キャットタワーやソファの高さに注意)

・フローリングでは滑らないような工夫をする(滑り止めマット等)

・抱っこの際はしっかりと体を支えてあげる

・ケージやサークルの外に出すときは、興奮しすぎないように見守る

「いつものことだから大丈夫」と思っている動きでも、体の小さな子やシニアの子には負担になることがあります。

⚠︎「ちょっと様子見」は要注意です

・足を浮かせて歩かない

・急に痛がる、触ると嫌がる

・明らかに足の向きがおかしい

といった様子が見られたら、脱臼している可能性があります。

脱臼は、"時間が経つほど戻しにくくなります"

脱臼が起きてから早い段階で来院していただければ

・麻酔をかけずに戻せる可能性がある

・手術をせずに済む場合がある

・回復までの期間が短くなる

など、わんちゃん、ねこちゃんの負担をぐっと減らせることがあります。

「様子を見てから…」と迷うより、早めに相談してもらうことが一番の安心に繋がります

 

脱臼かな?と思ったら、できるだけ早く病院へご相談ください!

14歳フレンチブルドッグの非上皮性間質腫瘍

 

いわき総合どうぶつ診療センター
さかい動物病院です。

 

本日の症例報告は、14歳フレンチブルドッグ
非上皮性間質腫瘍の手術に至った
セカンドオピニオンについてご紹介いたします。

 

 


■ 症例紹介:フレンチブルドッグ(14歳)

14歳のフレンチブルドッグが、
「息が荒い」「ぐったりしている」という症状で来院されました。

 


もともとかかりつけの病院で超音波検査を受けた際、
脾臓(ひぞう)に腫瘍がある可能性を指摘されていたそうです。
東京の大きな病院を紹介されたものの、
「まず今の状態をきちんと知りたい」との思いで、
セカンドオピニオンとして当院にお越しくださいました。

 

当院では、状態をより詳しく確認するために
レントゲン検査と超音波検査を改めて行いました。

 

その結果、お腹の中には脾臓を中心に

かなり大きく広がった腫瘍が見つかりました。

また、血液検査では 貧血 が確認され、
腫瘍が血液に影響を与えている可能性が考えられました。

 

腫瘍が大きいため、外からの検査だけでは
正確な広がりや周囲の臓器との関係が分からない状態でした。


そこで、飼い主さまと時間をかけてお話しし、
「開腹して内部を確認しながら、可能であれば腫瘍を切除する」
という方針で試験的な開腹手術を行うこととなりました。

 

 

手術では、お腹の腫瘍を慎重に切除し、病理検査に提出しました。
後日返ってきた結果では、
脾臓から発生した悪性の腫瘍(非上皮性間質腫瘍) と診断されています。

 

わかりやすく今回の症例を詳細をまとめると

 

1)何の腫瘍だったか

今回、脾臓のしこりを詳しく調べた結果、

「間質(かんしつ)由来の悪性腫瘍(肉腫タイプ)」と診断されました。
※血管肉腫(けっかんにくしゅ)などとは別系統の腫瘍で、

病理医の見解では組織球性肉腫の可能性は高くないとされています。

 

2)手術で取り切れているか

病理の見え方としては、標本内では腫瘍は取り切れている(完全切除が示唆)という所見でした。
また、腫瘍が脾臓の被膜(ひまく)を超えて外へ広がっている所見は確認されませんでした。
これは術後の見通しを考えるうえで、良いこととなります。

 

3)悪性ってどれくらい強いのか

腫瘍は悪性に分類されますが、増え方の勢いを見る指標のひとつ(核分裂像)は、

今回 ものすごく活発に増えているタイプを強く示す数値ではありません。

ただし悪性腫瘍である以上、今後まったく転移しないと断言はできないため、

経過観察が大切です。

 

4)今後いちばん大事なこと

「もし再発・転移が起きても、できるだけ早い段階で見つける」ことです。
早期発見できるほど、次の選択肢が取りやすくなります。

以下、オペ写真になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の子のように、
“いつもと違う呼吸” や “急な元気消失” は、
お腹の中の病気が関わっていることもあります。
少しでも気になる症状があれば、どうぞ早めにご相談ください。

 

大切なご家族が安心して過ごせるよう、
当院も全力でサポートいたします。

 

 

 

11歳チワワの静脈瘤切除術

 

いわき総合どうぶつ診療センター
さかい動物病院です。

 

本日の症例報告は、
11歳チワワの静脈瘤手術に至った
セカンドオピニオンについてご紹介いたします。

セカンドオピニオンは、現在かかっている病気に対する診断や治療に関して、
主治医以外の別の獣医師の第2の意見を聞くことで、
診断の正確性や治療法の選択肢を拡げたりすることを目的に行われます。

 

 

今回の子は、
右後肢にできものがあるということで、
かかりつけの動物病院に受診をし、検査を行ったところ
血管腫と診断されたという事でした。

ご家族のご判断で当院を受診され
血管腫ではなく
静脈瘤を疑い、摘出手術後
病理検査を行いました。

 


手術のために剃毛行ったところ、
静脈瘤を疑う箇所以外に
甲に1カ所とパッドに2カ所腫瘤を発見したため、
計四か所切除しました。

 

 

病理検査により、切除した腫瘤は
血管が広がってできた良性の病変と考えられます。

腫瘤は合計4か所ありましたが、
悪性(がん)の所見はどこにもありませんでした。

部位によって病変のタイプが少し違うため、
それぞれ関連性は不明とされています。

 

このように四ケ所それぞれから取り出している様子です。

高度な技術を必要とする場合もあります。

 

 

 

今回切除した腫瘤は
深部までしっかり取り除けました。

 


現在は抜糸も終了し、経過良好です。

 

 

このチワワちゃんの症例のように、
セカンドオピニオンによって
新しいことが見つかる事もたまにあります。

 

現在受けている医療に疑問や不安を感じている場合には
当院にてセカンドオピニオンとしての受信も受け付けております。
お気軽にご相談ください。

犬の橈尺骨骨折整復術

皆様、こんにちは。

いわき総合どうぶつ診療センター さかい動物病院 動物看護師北村です。

今回の症例は、犬の橈尺骨骨折整復術です。

橈尺骨とは、肘の関節と手首の関節の間に存在する2本の骨のことを指します。

犬の橈尺骨骨折のほとんどは若い小型犬に多く見られます。

最近の小型犬は骨が細く、落下等の衝撃で簡単に骨折してしまいます。

骨折する根拠は様々ですが、そもそもの体が小さいので強度が弱い、または骨の中でも硬い部分の割合の方が多く「しなり」が少ないため、あるいは手根関節に近い部分は血流が少ないため、などが報告されています。

犬猫は人と違い、完全骨折と言われる骨が完全に互い違いになるような骨折が大半を占めます。

こうなってしまうと外固定での治療は非常に困難になります。

外固定ではうまく骨がくっついたとしても曲がって癒合したり、最悪の場合は骨が癒合しない癒合不全という状態に陥ります。

癒合不全に陥った骨は非常に大掛かりな再手術か、最悪の場合は断脚の可能性があります。

その為、小型犬の橈尺骨骨折はたかが骨折とは侮らずに一回の手術でしっかりと治療する必要があります。

 

犬や猫での橈尺骨骨折の治療のスタンダードは、プレートとスクリューによって、折れた骨同志を元の位置に整復して安定化する内固定手術です。

最近、小型犬や子犬の骨折症例がとても増加しています。

小型犬の骨折は前足が多く、ほとんどが抱っこの失敗で落としてしまったり、着地の失敗だったりの外傷です。

小型犬、子犬の飼い主様は抱っこの際の落下に特に注意していただき、健康な毎日をお過ごしください。

ウサギの不正咬合

皆様、こんにちは。
いわき総合どうぶつ診療センター さかい動物病院 動物看護師北村です。

今回はウサギの切歯と臼歯の調整を行う処置についてご紹介します。
当院ではウサギに負担がかからないように出来るだけ無麻酔で処置を行っています。

ウサギは様々な理由で異常な歯の伸び方をしてしまいます。
不正咬合は1度罹ってしまうと再発しやすいことがある為、一定の間隔で状態を確認し、必要があれば歯を削る処置を行う必要があります。

ウサギの歯の状態は飼い主様が確認することは難しい為、気づかないうちに悪化してしまうことが多々あります。
そうならない為にも、定期的に受診しケアをすることが大切です。